人間が広告アカウントを管理しやすくすることと、Googleが顧客を見つけやすくすることは、本当に同じなのか?

こんにちは!ヨッシーです。Google広告を運用していると、「もっと細かく管理したほうがいい」と考えることがあります。

  • キーワードを増やす。
  • 部分一致を止める。
  • 除外キーワードを増やす。
  • 広告グループを細かく分ける。

どれも、一見すると理にかなった施策です。
アカウントは整理され、意図しない検索を減らせる。
広告とキーワードの関連性も管理しやすくなる。

そして、いつの間にか私たちは、
「アカウントを整理するほど、Googleも学習しやすくなる」
と考えてしまいます。でも、本当にそうなのでしょうか。

「管理しやすくなった」と「学習精度が高まった」は同じなのか

例えば、キーワードを増やせば、より多くの検索に広告を出せる可能性があります。
一方で、そのキーワードを追加した理由が「検索されそうだから」だけなら、そこに本当に自社が欲しい顧客がいるのかは分かりません。

部分一致を止めれば、意図しない検索への露出を抑えやすくなります。
でも、それによってGoogleが探索できる範囲まで狭めてしまっている可能性はないでしょうか。

除外キーワードも同じです。
明らかに成果につながらない検索を除外することは必要です。

しかし、「なんとなく関係なさそう」という理由で除外を増やしていけば、本来なら顧客になり得た検索まで消してしまうかもしれません。

広告グループを細かく分けることも同じです。
意図ごとに整理することで、人間にとっては非常に分かりやすいアカウントになります。

ただし、「人間が管理しやすくなったこと」と「Googleが顧客を見つけやすくなったこと」は、本当に同じなのでしょうか。

人間が管理しやすいアカウント(キーワードの整理、広告グループの細分化、除外キーワードの追加)と、顧客を探索しやすい環境(来てほしい顧客を明確にし、広告・LPで価値を伝え、成果から顧客理解を深める)は同じではないことを示した図。アカウントの整理が、成果につながるとは限らない

ここに、現在のGoogle広告運用における大きな違和感があります。

私たちは「管理しやすさ」を「学習精度」と勘違いしていないか

広告アカウントがきれいに整理されると、運用者は安心します。

キーワードが整理されている。
広告グループもきれいに分かれている。
不要な検索も除外されている。

すると、
「これならGoogleも学習しやすいだろう」
と考えたくなります。

しかし、それはあくまで人間側から見た評価です。
「管理しやすくなった」ことを、「Googleの学習精度が高まった」ことと解釈してしまっていないでしょうか。

もちろん、アカウント構造を整理することが悪いわけではありません。

重要なのは、「なぜ、その設定をするのか」です。

その設定によって、本当に「自社が来てほしい顧客」を見つけやすくなっているのか。
そこまで考えずに、

  • 「キーワードを増やす」
  • 「部分一致を止める」
  • 「除外を増やす」
  • 「広告グループを細かくする」

という作業だけが目的になってしまうと、広告運用はいつの間にか「Googleを管理する仕事」に変わってしまいます。

Google広告は「管理する広告」から「探索する広告」へ

ここで重要なのは、「じゃあGoogleに全部任せればいい」という話ではありません。
むしろ、逆です。人間がやるべきことは、もっと重要になります。

まず、
自分たちは、誰に来てほしいのか。

その顧客は、どんな状況にいるのか。
何に困っているのか。
なぜ今、検索しているのか。
何を不安に感じているのか。
そして、なぜ自社ならその問題を解決できるのか。

そこを人間が理解する。
そのうえで、その顧客像を広告文やコンバージョン設計、LPなど、Google広告が扱える情報に落とし込んでいく。

例えば広告文も、単に検索キーワードに合わせて作るのではなく、
「このような状況にいる人に、自社の価値を伝えたい」という意図を持って設計する。

これは、MAGNUSでは広告を単なる「検索語への回答」ではなく、Googleに対して「どんな顧客に価値があるのか」を伝えるための材料として考える、ということです。

そしてGoogleに探索させる。
そこで実際にどんな検索が発生し、どんなユーザーが反応し、どんな問い合わせが生まれたのかを見る。
その結果から、今度は人間が顧客理解を更新する。
そして、また設計する。
この繰り返しです。

つまり、

人間が答えをすべて決めるのではなく、人間が「方向」を定め、Googleに「探索」させる。

その探索結果を、また人間が読み解く。

顧客理解を起点に、顧客を理解する、広告・LPを設計する、Googleが探索する、結果から理解を更新する、を繰り返すサイクルの図。人間が方向を定め、Googleの探索結果を読み解く

「きれいなアカウント」が「強いアカウント」とは限らない

広告運用では、設定したことが評価されがちです。

キーワードを追加した。
除外キーワードを追加した。
広告グループを分けた。
部分一致を停止した。

でも、本当に見るべきなのは「設定したかどうか」ではありません。

その設定によって、自社が欲しい顧客を見つけられるようになったのか。
そこです。

人間にとって管理しやすいアカウントを作ることと、Googleが顧客を探索しやすい環境を作ることは、必ずしも同じではありません。
だからこそ、広告アカウントを「きれいにすること」自体を目的にしてはいけない。

Google広告は、管理するものではなく、顧客を探索するための仕組みとして捉え直す必要があるのではないでしょうか。
そして、その探索を正しい方向へ導くために必要なのが、

顧客理解です。

広告の設定を細かく管理することよりも、
「誰に来てほしいのか」
をどれだけ明確にできているか。

これからのGoogle広告運用では、そこがより重要になっていくと私は考えています。

広告の数字が改善したとき、事業も改善しているのか。

その問いを持って、広告の「設定」そのものを疑ってみる必要があるのかもしれません。